何があろうと、予定を入れなかった日
2015年4月5日、日曜日。
この日は何があろうと予定を入れないと決めていた。
重要なよさこいのお祭りが入ろうとも、である。
私の手帳にはこう書いていた。
「ミスティックリズムラスト回」
シー開園から13年半。
当初から唯一今まで続いていたミスティックリズムがいよいよ最終回を迎える。
ディズニーキャラクターが一切出てこないこのショーを本当に愛し、来園するたびほぼ毎回行っていたショーの最後を見届けたい。
私はそんな思いでこの日を空けた。
前日の土曜日はうちの相方と見に行った。
繁忙期しか行われない6回目、19時公演。
明日が最後ということで、気合の入った公演が繰り広げられた。
ゲストの熱量も全く違う。
本公演で涙する人も多かった。
…でも私は明日も来る。
だから、泣かずに会場を後にした。
まさかの事態!8時間半の…
そして最終日。
前日帰りが遅かったので、シーに入ったのは10時過ぎ。
雨が降っており、イースターのハーバーショー中止を横目に、奥へ奥へと進んでいった。
ミスティックリズムの行われるハンガーステージから100mぐらい離れたところで最後尾発見。
「1回目は、定員に達しました。こちらは2回目〜5回目の列です」
とキャストさんの声。
ん、最終回は…?
尋ねると、この先に最終回の列があるらしい。
行ってみると…、
「最終公演の列はこちらです〜お立ち見のご案内でまもなく終了となります〜」
んん!並ばなきゃだめじゃん!
2,3回は見れるかなという私の目論見が脆くも崩れ去った瞬間でした。
この時点で10時半。
最終公演は19時。
ここから、一人雨の中8時間半並び続けるという荒行がスタートするのだった。
長時間並ぶことは想定済だったので、やることは色々持ってきていた。
ただ、書くことが主体だったにも関わらず、私が持ってきたのは多色のゲルインクボールペンのみ。
…雨でにじむ!
にじんで読めなくなる箇所続出。
こういうときに限って油性ボールペンをなぜもってこない…!
執筆用のiPadは電池温存のため、できるだけ使い過ぎないように…。
なので、脳内でああだこうだと考えながら過ごす私。
たまに途中経過を見切れで撮ったり、人間ウォッチングしたりと時間は過ぎて行くのです。
見切れグループのおかげ!パークの輪
途中、私よりさらに前方に並ぶ栗木さんが遊びに来てくれました。
栗木さんは元ミスティックリズムダンサーさんで、今日は名古屋よりお越しになってました。
私とは見切れグループでのつながり。
栗木さんは朝8時半から並んでいてお疲れにもかかわらず、見切れを撮ったり、一人で並ぶ私のために代わりに並んでくれ、その間私はトイレと食事の調達に…。
本当によい方!
大変助かりました〜本当はもっとお話をお聞きしたかったが、元ミスティックリズムダンサーさん仲間とお越しになっていたのでお邪魔するわけにはいかず。
さらに見切れグループの澁谷さんもお越しになっていました。
前日の段階で15時から入園可能なスターライトパスポートを入手済ということだったのですが、私からのパーク情報(最終回は満員)を聞き、急きょ通常パスポートに券種変更され入園されました。
15時40分スタートの4回目公演に間に合い、しかも前方の良席で見れたとのこと。
感動したと仰ってましたね…今日は気合いの入り具合が違うと思いますよ。
終了後は私を探してくださり、一瞬会えたと思ったら、また戻って来てくださり、チュロスの差し入れ!!
何と嬉しい!感激です、ありがとうございます!
私にはいわゆる仲の良いパーク仲間的な方はいないので、今日のこの時間を楽しく過ごせたのは見切れグループのみなさんのおかげです。
感謝!!
ようやく待ちに待った時間。でもそれはお別れが近づいている証拠
そうして時間は18時半。
ようやく会場へと入れる時間になった。
一度止んでいた雨は、この時間になると再び本降りに。
空もミスティックリズムが終わるのが寂しいのかな。
ほぼ最後尾で立ち見と言われていましたが、蓋を開けてみると後方席に座れた私。
立ち見でカメラの人が多かったからの様子。
会場内は異様な雰囲気。
音楽担当のみなさんが裏の通路を通るのが見えただけでゲストは一斉に手を振る。
音響担当のキャストさんに手を振る。
注意事項のアナウンスをするキャストさんも異常にテンションが高い。
みんな、最終公演に向かって、勘極まっている様子が見て取れる。
いよいよ最終公演スタート!
音楽担当の人、主役のチョウチョさんが登場するたびに拍手。
場面展開のたびに拍手。
ゲストの熱気もすごいですが、それ以上にダンサーさんの熱気がすごかった。
最終公演ということで、相当熱が入っていたはず。
引き込まれるショーはあっという間にラスト。
白煙が出て、チョウチョさんが飛び立ち、チョウチョ役のダンサーさんがはけて、ラストアナウンス「ザ・ミスティックリズム オブ ザ ジャングル…」が流れる…。
場内は拍手と歓声が渾然一体となり、みんなの「終わらないで」の想いが凝縮されているよう。
この後はカーテンコールの音楽が鳴りだすはず…あれ、鳴らない!?
音楽担当のキャストさんがひたすら煽って、煽って。
通常はNGのスタンディングオベーションになっても、まだ煽り続ける。
大きくなる手拍子。
うわ、これはたまらない!
ようやくカーテンコールの音楽がなり始めたのはラストアナウンス後、1分ほど経ってから。
全ダンサー集合のカーテンコールの中には、普段は下に降りてこない「地の精霊」役のダンサーさんも。
地の精霊役のダンサーさんが降りてくるのを待っていたのか〜ダンサー全員舞台でのカーテンコールは泣けるなぁ。
ミスティックリズムが生演奏の舞台だからこそできる粋な演出。
最後は一部のダンサーさんが客席に近づいてきて挨拶をし、いつものように走って退場。
場内割れんばかりの拍手。
退場後に流れるエンディング曲が終わって、場内が明るくなっても誰一人会場から出ようとしない。
このあとまだ何かがある、それを信じるような手拍子が続いた。
もう出演者は出てこない。
キャストさんのアナウンスでようやくゲストは動き出した。
それでも音楽担当のキャストさんがひたすら手を振ってくれている。
音響担当のキャストさんとセルフィーを撮る。
ショー案内担当キャストさんと話をする。
ゲストは思い想い、最後の余韻を体いっぱいに感じ取り、ステージとのお別れをしているかのように見えた。
私も場の空気を感じ、呼吸を整えながらその場の余韻を味わった。
周りはゲストもキャストも涙にくれる人が多かったが、私は不思議と涙は出なかった。
普段は周りの空気に伝染されて、すぐに涙する私が、である。
明日になったら涙するのかな。
それともこの高ぶりと共存しつつ、上手くやり過ごせるのかな。
2回目の退場を促すアナウンスが流れたところでようやく会場を後にする決心をした。
出る前に入り口付近にいたキャストさんにお願いし、写真を撮らせてもらう。
号泣後に写真を撮らせてもらうとは厚かましいが、素敵な笑顔で写ってくれた。
キャストさんも今日は一日中大変だったでしょうが、お疲れ様でした。
まだ会場内には半数以上のゲストがいたかな。
これ以上いると出るタイミングを逸しそうなのでそっと扉の外へ。
外に出て、振り返り、会場の中を一瞬見て、その場を離れた。
次にここに来るときは囲いがされて、中を覗くことはできないだろう。
中を見ることができるのは1年後。
そのときには、新しいショーのお披露目となっているはず。
新しいショーへの期待を込めて、ミスティックリズムを思い出の中へとしまおうか。
☆Summyに東京、香港、上海パークについて相談したい時は…
→こちらで承ります