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偶然が重なる小宇宙

明け方、こんな夢を見た。

電車で同じ時間、同じ車両にいた人。
毎日、他愛もない話ができるのが好きだった。
ある日、突然その人は電車に乗ってこなくなる。
いつになっても、その人は現れない。
淡い恋心を持った彼女の心配は日に日に募る。
あるとき、彼女は知る。
彼が、亡くなったってことを。

もう二度と会えない恋心を抱える彼女。

同時に進行するのは、前の上席と私が同じ電車で会話をしている夢だった。
同じ電車の同じ車両で、彼女と同じように話をして過ごす私と上席。
やはりある日、突然乗ってこなくなる上席が。

目が覚めてから感じたことは、一つの電車の路線を小宇宙としてとらえ、そこで偶然にも会えた人はなんらかのメッセージを発しているのでは?ということだった。
同じ路線に乗っていても、時間や乗っている車両、乗車区間によってその人と同じ車両に居合わせるかは相当の小さな確率。
その中で出会うってことは、何かの意図を持って、その出会いを私たちに伝えようとしているのでは?
夢から覚めて、そんなことを思わずにはいられなかった。

そして、鉄拳の「振り子」をイメージさせるイラストが私のイメージから離れなかった。
夢から覚めても、夢の中の出来事は、あのイラストのままあの小宇宙で起きたことにシンクロしているのだ。
あぁ、不思議と切なさを覚える夢だった。

なぜ、私は夢の中の小さなお話に涙しているのだろう?

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