私は学生の頃、たくさんの先生に助けられてきた。
その中でもこの人を抜きに語れないのが学部時代の恩師・通称キムタクである。
キムタクは学部の大学に誘ってくれた恩人であり、フィールドワークや卒論など、学部時代の節目節目でお世話になった。
とにかく地理が大好きだった私は、大学は絶対地理を学べるところにしようと決めていた。
が、地理を学べる大学はそれほどない。
教員養成系を入れれば多少は増えるが、地理単独となると極端に減る。
関東にあれだけ大学があるのにもかかわらず、地理(しかも人文系)が学べる大学は10もないだろう。
しかも親より「お金がかかるから国公立に行くように」とクギをさされていた私。
高校の担任に調べてもらったら、関東で地理の学べる大学(教員養成系を除く)はたった3校しかない。
一校は東大、もう一校は絶対に行きたくないと拒否した大学(結局大学院になって通うことになったが)。
そしてもう一校が学部時代の母校だった。
しかし、学部時代の大学は地理を学べることをほとんど謳っていない。
地理は国際関係学科の中にあったからだ。
本当に学べるのかわからなかったので、疑問を解消しにオープンキャンパスへと行った。
高校2年の夏だったかと思う。
話を聞いても本当に学べるのかよく分からない。
私、国際金融とか興味ないぞ…。
意を決して、地理の先生という人に話を聞きに行った。
「あの、地理を学びたいんですけど、学べますか?」
その先生は学べますよ、と丁寧にカリキュラムやら授業内容やらを教えてくれた。
私が観光地理やまちづくりに興味を持っているということを話すと、それも学べますよ、と言ってくれた。
そして、うちにいらっしゃい、と誘ってくれた。
その先生こそがキムタクである。
入試では、国際関係学の先生しかいない面接でも堂々と「地理を学びたいです」と言ってパスした。
※ちなみに、後にも先にも地理を学びたいと国際関係学科に入学してきたのは私しかいないらしい。
入学後の私はこれでもかと地理関係の授業を取れるだけ取った。
キムタクは小生意気な私のことをかわいがってくれ、2年から始まる地理ゼミにも入れてくれた。
私がよさこいに出会った佐世保のフィールドワークに同行してくれたのもキムタクである。
大学院に行ってよさこいの研究をしたいと言ったら、のちの大学院の指導教官を紹介してくれたのもキムタクだ(まさかの友人同士という…)。
たぶんキムタクがいなければ、私の研究にかかる人生はここまで形づくられなかったであろう。
国際関係学科は大学組織改編で私が卒業してから2,3年でなくなっている。
しかし、キムタクの尽力により、新しい学科では地理が一大勢力になり、今ではたくさんの学生が地理を学びたいとやってくるそうだ。
「今の体制なら大学院までいさせてあげられたんですけどねぇ」
私が卒業する時、地理は大学院の受け入れ体制がなかったため、学部の大学は出ざるえなかった私。
キムタクよ、あと2,3年早く体制を整えてくれたら…!!
そのキムタクも今では新しい学科のコース長である。すっかり偉い人だなぁ。
なぜいきなりこんな話をしだしたかというと、私がよさこいについて初めて書いた佐世保のフィールドワーク報告書を引っ張り出して読んでいたからだ。
…とってもこっぱずかしくて、見せられるような代物ではないけどね…!!